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Story3.木曽領民のくらしを支えた地場産業

森林資源にかわる地場産品の生産

森林保護政策により山での採集を制限された木曽領民には、木曽の風土に根ざした地場産品の生産が奨励された。

木曽代官4代目山村良豊(やまむらたかとよ)は、奥州から良馬の南部馬を買い入れ、木曽地域の風土に合う山坂に強い木曽馬に改良して、農民に飼育させることを奨励した。
また、禁伐を課す代わりに領民の既得権(きとくけん)として藩から村に支給される御免白木(ごめんしらき)(使用が許可された材木を割って半製品にした材料)を利用しての曲物まげもの、漆器(しっき)、お六櫛(ろくぐし)などの工芸品や木材加工、養蚕、生糸業、さらに御嶽山修験者から地元の人々に伝授された山野の薬草の製薬技術による「百草(ひゃくそう)」製造などを地場産業として積極的に奨励した。
地場産品と整備の進んだ中山道の流通経済を活かして産業振興を図ったのである。

木曽馬と御嶽山(木曽町)

木曽馬と御嶽山(木曽町)

木曽馬、木工品、漆工品

木曽馬は、性格がおとなしく小型であるため女性でも世話できる農耕馬であり、馬市で売り買いされるだけでなく、領民の農耕・運輸にも大いに役立ち、江戸時代後期には領内に数千頭の木曽馬が飼育されていた。
また、陶器に比べ軽く壊れにくい木工品や(うるし)を施し耐久性を高めた漆工(しっこう)品は、木曽路を辿り全国に広まった。

お六櫛(木祖村)

お六櫛(木祖村)

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