ストーリー
寛文2 年(1662)に飛騨の落辺から来た人によって技法が伝えられた、(桧を薄く削って細長い短冊状にした)「ひで」で編まれた手作りの笠。「笠の家」で実演をみることができる。
概要
蘭桧笠(あららぎひのきがさ)は寛文2年(1662年)に飛騨の落辺から来た人によって技法が伝えられたもので、当時は笠の需要が多く耕地が少ない蘭の主要産業となっていました。
戦後は生活様式が変化し需要が減ったが、現在も伝統技術による手作りの良さが見直されて妻籠宿、馬籠宿の観光客や、御嶽山の登山客等を中心に実用笠や飾り笠として根強い人気を保っています。
*桧笠は、昭和57年10月21日に長野県伝統工芸品に指定されました。
観光ポイント
昔ながらの手編みによる素朴で美しい桧笠。各お土産店などでご購入いただけます。
現地レポート
岡庭さんと小高勇さん
蘭桧笠(あららぎひのきがさ)について、蘭桧笠生産協働組合をたずね、組合長 岡庭さんと作成者の小高勇さんにお話を伺いました。
桧笠には特別な思いがあります。子供のころから携わってきましたからね。今は機械だけど、昔は全部、手作り。家族で手分けして作ってきたんですよと話して頂きました。
この桧笠は昔、天竜川の舟下りにも使われていました。それから靴の中敷きを作ったりと時代に合わせて変化してきましたが作る技術はずっと変わらず伝えられてきたんですよ。
桧笠のすばらしいところは?
使ってもらえばわかるよ。使う場所は限られるけどね。雨でも雪でも夏の日差しの中でも、軽くて、丈夫、通気性が良いんです。これは手作りの良さだね。
それに桧は、自然の抗菌作用もあり、かぶることで森林浴効果もあるんです。「かぶる森林浴」なんて言われます(笑)。
最近は使ってみようか、といって観光でいらした方も買われる方も多くなりましたが、地元の人が農業や家庭菜園に使う事が多いですね。
桧笠を作るときに難しいところはありますか?
最初から最後まで難しいんですよ(笑)。
竹を1本1本手で割って、基本すべてが手作業なんです。手作業で出来上がるのが良い所ですが同時にこれが私達の誇りなんです。
現在の編み手の皆さんから次の世代へ向けて、年2回講習会を行っています。毎回10~30人くらいの方々に教えているんですよ。
昔は家族で桧笠を作っていたが今は少なくなってしまった。興味のある方は是非訪ねてきてもらいたいし、若い人にも知ってもらいたいな。
伝統を手作りし続ける職人のお話しをお聞きできました。
見どころ
昔ながらの手編みによる素朴で美しい桧笠。各お土産店などでご購入いただけます。