ストーリー
そば切り発祥の里:本山宿に碑、定勝寺に古文書がある。現在の蕎麦の形が木曽谷から始まったと考えられ、蕎麦が木曽の生活に根差した特産品であることを示している。
手打ちそば:御嶽山修験者に所縁のある「そば」は開田高原特産となった。木曽谷は「そば切り」の草分けの地といわれる。(県選択無形民俗文化財)
概要
「本山そばの里」は、洗馬本山地区の中山道本山宿として栄えたところで、「風俗文選」によると「蕎麦切りというのは、もと信濃の国本山宿より出て、あまねく国にもてはやされける・・」とあり、「そば切りの発祥の里」として地産地消ならではのそばの味を楽しめる。
定勝寺の古文書 番匠作領(料)日記(天正元年(1573年)~天正5年(1577年))に「振舞ソバキリ」金永、「ソバフクローツ千淡内」ほかに強飯(おこわ)、清酒、豆腐、白米など記されている。大桑村の定勝寺の仏殿修理工事にそば切りを振る舞ったという記録が残っている。
観光ポイント
「本山そばの里」では、お店の周りの畑に地元の住民がそばの種を撒き、収穫、製粉、手打ちしたそばを提供している。
秋には真っ白なそば畑の景色が望める。
冬は温かいそばに「すんき」を入れて食べる「すんきそば」が風物詩となっている。
開田高原では「とうじそば」という独特の食べ方があり、柄のついた篭に茹でたそばを入れて、だし汁の入った鍋にくぐらせて食べるもので、風情があります。
※ 木曽地域では感染症対策をして皆様のお越しをお待ちしております。
現地レポート
そば切り発祥の地本山そばの里、理事長 花村芳宏さん
国道19号を木曽方面に走っていると「蕎麦切り発祥の地」の碑が見えます。
「蕎麦切りといっぱもと信濃の國本山宿より出でて普く(あまねく)国々にもてはやされける」と雲鈴(風俗文選記述1706年)に記述のある本山そばの里。
蕎麦切りに詳しい、蕎麦切り発祥の地本山そばの里、理事長 花村芳宏さんにお話を伺いました。
以前は桜沢から下諏訪へのルートだった中山道が、1614年本山、洗馬、下諏訪へのルートに変更になり、それ以来本山城、本山宿が重要な場所になったそうです。
本山宿は中山道32番目の宿場で、大旅籠は30か所ほどあったそうです。
1706年の「風俗文選」という文献によると、この地、本山から全国各地へ広まったとされています。
平成元年までは万人がそう認めていたが、平成6年定勝寺で発見された文献にはそばを食べたのは1574年という記述があったそうで、どちらも歴史に基づく文化ですね。
平成17年には商標登録もしました。明治44年に汽車ができてからは宿場のお客様が少なくなりました。しかしそば打ちの技術は明治時代から昔とかわらず、農家のお祝いや「家庭の晴れ食」として母から子へ代々伝わり、ふるまっているそうです。
この看板が目印
地元のお母さん手打ちのそば
そのほかおすすめはありますか?
そばが本業だけど、パセリのお漬物がおいしいといわれるよ。年中食べられるそうです。
大根は年中、ゴーヤは8~10月の夏場だけ、野沢菜は秋~3月ごろまで、それにふきのとうの天ぷらは3~4月のみ。季節の物を出しているのが隠れた人気かな。
そばのうすやきもおすすめ
これからのイベントなどについて教えてください。
9月上旬にはそばの花祭りがあるよ。そばの里の周りは一面そば畑だからね。
種まきを8月上旬にして、花は9月10月位が見ごろだよ。
新そばは10月末位から始まるのでぜひ食べてみて。お店に来る前に聞いてくださいね。
1~3月は月曜休み、11:00~16:00営業。
そば打ち体験もやっているので事前に予約して是非お越しください。
そば打ち体験で打ったそばはその場で茹でて食べてもいいし、持ち帰ってもいいし。
この地は75歳でも80歳でも働ける場所。そばの里は自分たちみんなで出資して作ったから、ここを守るそばの味は本物なんだよ。と花村さんは話してくれました。
見どころ
季節の山菜や地元のとれたて野菜のかき揚げもおすすめ。