人々のくらしを支える森林資源
長野県南西部、塩尻市から岐阜県中津川市にかけての木曽地域は、総面積2,512km2と小さな県に匹敵する広さを有する。 遥かに仰ぐ御嶽山は古より魂の還る霊山として人々の信仰をあつめ、その裾野を流れる木曽川は檜の山林と奇岩の渓谷を映し、木曽川沿いに街道木曽路が続く。
木曽路を包む木曽谷の約9割は森林地帯である。 豊臣秀吉の時代、木曽地域は、狭い耕地の作物だけでは領民を養えない地域として、領民は米年貢(米の年貢)の代わりに木年貢(木の年貢)が課され、領民には木年貢を納めることで米が支給された。 木年貢は、米が経済の基礎であった江戸時代になっても踏襲され、森林資源が木曽地域の人々のくらしを支えていた。
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