

ストーリー
お六櫛の名の起りは、頭痛もちのお六が、家の近くのミネバリの樹を櫛にして髪を梳いたことにより全快した伝説による。現在の主生産地が薮原である。実演見学や体験もできる。
概要
わずか10cmにも満たない幅に、およそ100本もの歯が挽かれたミネバリの小さな櫛「お六櫛(おろくぐし)」は、江戸時代から中山道の名物、御嶽信仰や善光寺参りの土産として全国に知られていました。現在でも、ここ薮原宿を中心に作られているお六櫛は、実用品の櫛であるとともに長野県伝統工芸品として愛され続けています。
観光ポイント
薮原では一口に「お六櫛」と総称していますが、その種類は多岐にわたり、梳き櫛・解かし櫛・挿し櫛・鬢掻き櫛などがあります。さらにそれぞれに形や大きさ、歯のつけ方などの違いによって様々な名前がつけられています。
現地レポート

木祖村お六櫛組合組合長 北川聰さん
木祖村お六櫛組合組合長 北川聰さんにお話しを伺いました。
お六櫛には約300年の歴史があり、江戸中期 木曽の南の方から伝わったと言われています。
組合の皆さんは技術を伝承する活動を53年間続けており、昭和48年には長野県の無形文化財にも認定され、今は若い人も入ってきて嬉しいと話して頂きました。
文化財になったという事、300年の歴史を守るという思いが大切で、櫛の文献等も村が中心になって集め、木祖村郷土館で展示しています。
そうそう、お六櫛には伝説があり、その昔、頭痛持ちだったお六さんという方がおり、ミネバリの櫛を使って髪を梳かしたらピタリと治ったという。ミネバリで作る事が大切なんだよ。と教えて頂きました。

写真提供:木祖村お六櫛組合 北川聰さん
お六櫛は歯の部分が細かいのが特徴で、静電気がおきづらい点も喜ばれます。
櫛に渋み成分があり、これが頭痛を直すのかもしれないと考えられ調べているんだよ。実際、ブドウ球菌が発見され抗菌作用があることまで確認しました。今後も調べていきたいね。
ミネバリの木で作るお六櫛。
お六櫛を伝承して行く為にミネバリの種を取って、ミネバリの森を育てようと計画しているんだよ。
壮大な計画を教えて頂きました。

写真提供:木祖村お六櫛組合 北川聰さん
素材と技術を一緒に引き継いでいきたいと考えいて、多くの皆さんに見て頂く活動も行っています。
興味のある方は是非見に見て下さい。全部教えますよとお六櫛技術認定者であり森の名手・名人とも呼ばれている北川さんに熱く語って頂きました。
昔からのおみやげとしてこの地に根付いたお六櫛、この文化をずっと大切にしていきたいと目を閉じながら発した言葉が印象的な北川さんでした。

写真提供:木祖村お六櫛組合 北川聰さん
見どころ
お六櫛資料館としても知られ、再現されたお六櫛の仕事場で観光シーズン中は製作の実演もあります。江戸時代の医者や武士の用具祭事の道具など、当時の様子が再現されたお六櫛仕事場を始め木祖村の歴史と産業が一目で分かります。古の木祖を体験して下さい。
アクセス
最寄駅・インターから
JR藪原駅から
徒歩 約5分
中央自動車道伊那インターから
伊那ICから木曽方面へ約30分。
長野道塩尻インターから
塩尻ICから木曽方面へ約30分。
住所
木曽郡木祖村薮原189番地1
TEL:0264-36-2349