江戸時代、城や城下町を造るために木曽山の木が皆伐された後、僅かに残された木から自然に種が芽生え、現在の森が形成された。現在樹齢約550年の大さわらを始め、300年以上のヒノキやブナ、ミズナラ、トチノキなど針葉樹と広葉樹が混交する森林。
木曽川は上流の木祖村小木曽の入口で味噌川と笹川に分かれますが、水木沢は笹川の一支流です。 境峠(1486m)から富士(1984m)、大笹沢山(2001m)と連なる山並みに抱かれるようにして、 中ノ小屋沢・水木沢・床並沢が並んで笹川に流れ込んでいます。その流域の深く広い森が水木沢天然林です。
郷土の森・水木沢天然林は木曽川の源流、木祖村水木沢地区に広がる天然林で、面積は約82ha。
木曽谷の代表的な樹種である木曽ヒノキ、サワラ、ネズコ、ブナ、トチノキ、サワグルミなどに亜高山性のウラモミジ、コメツガなど針・広葉樹が混生する貴重な森林資源です。林内の98%が推定樹齢200年以上の天然林で、中でも樹齢約550年・直径2.5m(胸高周囲6.7m)の大サワラは圧巻です。
NPO法人 木曽川・水の始発駅 理事 水木沢天然林管理人
久保畠 賢一さん
NPO法人 木曽川・水の始発駅
理事 水木沢天然林管理人
久保畠 賢一さん にお話しを伺いました。
水木沢天然林は西暦1600年ころ、尾張藩にて大量に木々を伐採し、資源として活用していたが、 その後全くといってよいほど手が入っておらず、今は自然に生えた木だけが残っています。まさに天然林なんですよと話して頂きました。
鳥や昆虫、動物を育んでいる国有林で今は3つの散策コースを作っているんだよ。
木が大きく、来て頂いた方には元気をもらえるとよく言われる。感動して帰っていく方が多いのが本当に嬉しいんだ。
大きな樹木が多いのですか?
樹齢数百年という木々が多くあり、中でも樹齢300年という巨大ヒノキもありめずらしいよ。森の中は寒いけどね。だから木の成長が遅く、年輪が狭い貴重な木が育っていく森なんだ。
久保畠さんが撮影した写真を見せて頂きました。
浅秋の水木沢
展望台遠景
流れ
雨に濡れる巨大ヒノキ
沢の水がきれいで野生のイワナがいるよ。これを見れるのはなかなかないでしょ。
広葉樹、針葉樹が入り混じり、根上がりの木が視界に入る、倒木して更新*する姿をそのまま見て感じる事ができる、まさに自然のサイクル!これが見どころだ。
まさに天然林だと教えて頂きました。
専門家からも森のお手本だと言われます。今までと同様にこの森を守って、癒しの場としていきたい。
切ってはいけない。植えてはいけない。そんな森を守りたい。
森を大切に想う久保畠さんのお話しをお聞きできました。
*倒木更新・・・倒れた古木を礎にして、新たな世代の木が育つこと
水木沢は「水木沢天然生林」といわれるように、樹齢300年前後の木曽ヒノキやサワラ、ブナ、ミズナラ、トチノキなど針葉樹と広葉樹の混合林であることが大きな特徴です。
日本の森林は、本州の真ん中を境に南は屋久島まで続く照葉樹林と、北は北海道まで続く落葉樹林に大きく分けられ、木曽谷はちょうどその境界に当たり、中間温帯林と呼ばれることもあります。 ほとんどの国有林が針葉樹である中、広葉樹と針葉樹が混交している水木沢は貴重な森林として残されており、将来の森づくりのお手本となるすばらしい森林です。
車で 約30分
伊那ICから約60分。
塩尻ICから約60分。
木曽郡木祖村水木沢地区
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