日本遺産木曽路 English Site
日本遺産木曽路構成文化財一覧木曽を語るお知らせ

16らっぽしょ祭り

徳音寺

ストーリー

本来は山吹山麓の徳音寺集落の子供たちのお盆行事で、木曽馬に乗った木曽義仲の武者も町を練り歩く。

概要

らっぽしょ祭り(木曽義仲旗挙げ祭り)は、毎年お盆に行われる木曽義仲を弔うまつりです。

観光ポイント

らっぽしょは木曽義仲と巴御前を供養する行事。山吹山に火文字で「木」の字を描いた後そこから松明をもって下り、最後に武者行列と一緒に徳音寺にお参りをします。毎年「木曽義仲旗挙げまつり」の中で行われ、「木」の火文字が夏の風物詩になっています。お祭りでは巴太鼓や花火、出店などもありますので、是非お出掛けください。

  

現地レポート

松原幸雄さん

松原幸雄さん

自身も子供の頃かららっぽしょ祭りに参加し、伝統行事を守り続けていらっしゃる、らっぽしょ保存会会長の松原幸雄さんにお話を伺いました。

らっぽしょ祭りについて教えてください。

「らっぽしょ」は、毎年8月14日のお盆に、日義地区で古くから行われている行事で、元々は子供達が伝統行事として受け継いできたものなんだよ。
今は子供が少なくなったから、青年会や町ぐるみで大人も一緒に行っているけれど、昔は子供だけでも5、60人いたからね。

徳音寺

徳音寺

山吹山

山吹山

夜の7時頃、山吹山から松明を灯して山を下ってきて、徳音寺地区から木曽義仲のお墓がある徳音寺まで提灯行列をして歩くんです。

山吹山の松明が「木の字」になったのは、昭和57年、義仲の没後800年を記念して行われた「義仲八百年祭」から。それからは松明を燃やすのも大仕事になったけどね(笑)。
今では、木曽義仲、巴御前などの格好をした武者行列が練り歩く「旗挙まつり」の行列と合流して、賑やかなお祭りとなっています。

らっぽしょの語源は何ですか。

昔から言い継がれてきたから、知ってる人はもういないけど、研究書にはいくつか語源が記されていてね。炎が燃え上がる様子や掛け声を表した言葉ではないかと言われています。

大正3年には地元出身の松原栄助さんという人が「らっぽしょの歌」を作って、お祭りの時に歌われています。私も子供のころ歌ったよ。今もお祭りの前には子供達が集まって練習をしているんじゃないかな。

とても広い室内はいろりのすすで黒光り

義仲の旗が青空にはためく

義仲館の前の銅像

義仲館の前には木曽義仲と巴御前の銅像がある

らっぽしょ祭りのすばらしいところを教えてください。

細々とでもこういう伝統が引き継がれていることがすばらしい。少子高齢化が進み、子どもの数もだいぶ減ったけど、地域のみんなが血気盛んに支えてくれている。それが日本遺産に繋がったんだと思います。
地元を離れてもこの日に合わせて帰省して、子供をらっぽしょに参加させたいという親御さんも結構います。きっとみんなの意識の中に伝統が息づいていて、地域の事を想っているんだと思います。そういう行事は続けていなかければいけません。

あまり知られていない事や、穴場があれば教えてください。

30年~35年前は、義仲の銅像をひいて歩いていたこともあるんですよ。今は徳音寺に安置されていると思います。

山吹山は普段でも登ることができます。登り口には案内板もあり、山頂にはあずまやもあります。15分ほどで登ることができますよ。
木曽川沿いに続く宿場を見下ろすことができるなかなかの眺望です。

新しい事を取り入れるのではなく、粛々と伝統を受け継いでいきたい。それが一番大事だと思っています。
若い人が少なくなり、木の字焼きの薪を山に上げる作業ひとつにしても大仕事ですが、子供たちが引き継いでいってくれることを望んでいます。

  

見どころ

らっぽしょは義仲ふるさと広場で開催されます。
付近には徳音寺(徒歩すぐ)や巴淵(徒歩10分)などがあり、義仲の史跡をめぐるハイキングが楽しめます。


 

アクセス

最寄駅・インターから

JR木曽福島駅から

バス・徒歩 約60分

中央自動車道伊那インターから

伊那インターから約80分

住所

義仲館

長野県木曽郡木曽町日義290




すべての文化財を見る