ストーリー
中山道の難所の一つ、鳥居峠の北麓にあたる重要な宿場町であり、檜物細工や漆器、塗櫛等の手工業が盛んで、現在も町のつくりや家並みは当時の面影を色濃く残す。
概要
奈良井宿は、江戸へ64里22町、贄川宿へ1里31町、薮原宿へ1里13町、宿の延長は8町5間と贄川宿のほぼ2倍の長さもあり、規模の大きな宿場といえます。
宿の成立は文献に「天文元年(1532)、木曽義在奈良井に専念寺を建つ。同2年、義在木曽に宿駅を定む」とあることから、16世紀中頃には既に宿の役割を果たしていたと考えられます。
慶長6年(1601)の江戸幕府による宿駅制定にともない近世の奈良井宿として整備されました。
観光ポイント
奈良井宿は明治時代の道路改修の際に、国道からはずされたため、宿場時代の町並みが現在までほぼ完全に保存され「伝統的建造物群保存地区」(昭和53年)の指定を受けています。
江戸時代の旅籠そのままの旅館や、公民館として使用されている本陣、上問屋史料館として一般に公開されている問屋の手塚家など、往時の様子を今に伝えています。
また鳥居峠に向かう道は中山道の石畳を復元し、自然遊歩道として整備されています。
現地レポート
奈良井区町並み保存委員長太田祐司さん
奈良井区町並み保存委員長太田祐司さんにお話を伺いました。
奈良井宿町並み保存委員会では、町並みの修理、修景の話し合いを頻繁に行い、毎年、修理修景の申し込みを受け、昔の町並みの様子に復元する活動をしています。
建物や屋根に格子を入れたりして昔の奈良井宿に戻したりするんですよ。と話して頂きました。
今は昔の宿場町の風景がしっかり見れるようになったがここまで来るのには大変な苦労があったよ。と太田さん。
この地域では奈良井を大切にしようという人が多く、とても誇らしいです。景観はみんなで守っていくものという考え方が息づいており、宿場を昔の街並みに統一していこうとみんなで頑張っています。
町並みを守る強い思いが伝わってきました。
奈良井宿はすてきな町並みですよね。
景観、町並みがそろっている姿は他ではなかなか見ることができないでしょう?
山と町並み、歴史の重みを感じることができるのは自慢です。
来られたお客さんからは、谷が迫ってくる感じや町並みがそろっていることがすごい、と言われることが多く、益々力が湧いてきます。
春夏秋は多くの人が歩いて賑わっていますが、冬の時期はここって奈良井川の上流で一番標高が高いから特に寒いね。でも冬にはアイスキャンドル祭り(毎年2月3日)があり、夢のような神秘的な世界を見ることができるんですよ。時代が戻ってタイムスリップしたみたいとお客さんがよく言いますね。
奈良井の街並みを守る太田さんより熱いお話しを頂きました。
奈良井宿は1kmにわたって宿場が続く
奈良井の宿場はとても長いよ。1kmにわたって宿場が続くっていうところはなかなかないんじゃないかな?
それに宿場内にお寺の数も多いね。1kmの間にお寺が5つあるのはめずらしいでしょ!
私たちが守っている昔の風景をぜひ見に来てほしいですね。と太田さん。
当日は残念ながら雨でしたが、何やら余計に昔の街並みの風景を強く感じました。
雨の奈良井宿も風情がありますね
奈良井宿には現在空き家もあります。
住むという観点や、商売を考えている方も一度見に来てほしいなぁ案内するよ、とおっしゃっていました。
こんな情緒あふれる町並みに暮らせるなんて、素敵ですね。
見どころ
1kmにわたる町並はもちろん、江戸時代の建物をそのまま生かした資料館、旅館など、みどころたくさん。
アクセス
最寄駅・インターから
中央本線JR奈良井駅から
徒歩 3分
中央自動車道伊那インターから
中央自動車道伊那ICから国道361号線で約40分。
長野自動車道塩尻ICから国道19号線で約35分。
住所
長野県塩尻市奈良井